夏の夕暮れ納涼歌舞伎へ

 

八月の納涼歌舞伎を観に、銀座へ。

地下鉄から階段を一段一段登るごとに増していく暑さ。
海外の観光客や多くの浴衣姿の人で、銀座の中央通りの歩行者天国は休日の盛り上がりをみせていました。
各地で花火大会が催されている日だったので、浴衣の方が多いのかと
思っていましたが、「浴衣で銀ぶら」というイベントが行われていたようでした。
中央通りの道には所々木桶が並べられていて、夕方になると打ち水の催しがあるようです。

開演前に腹ごしらえをして、銀座三越の地下で幕間で食べるおいなりさんやデザートを買い込んで、観劇の準備は万端です。
イヤホンガイドを木挽町広場で借りて、いざ歌舞伎座へ。
歌舞伎座独特の上品で安らぐような会場が行く度にとても好きになります。
この間テレビで歌舞伎座の建築についてのお話を見たので、
柱一つ見るのも楽しいです。

今回観劇する演目は第三部の「新・水滸伝
梁山泊の悪党達と林冲が朝廷の重臣と対立するというお話なのですが、
今回は今まで見たことがない中国を舞台とした作品です。

開始早々の梁山泊の面々の全員集合の決めの場面はとても圧巻でした!
まだ物語が始まっていないながらも、壮大なお話が始まると感じさせてくれる始まりでした。
クロバットがあったり、話言葉が現代のものだったり、躍動感のある殺陣があったりと、初めて見る人でも見やすい演目だと思いました。
(この演目についてはイヤホンガイドは必要ないかな?とも思いました)
その他にも歌唱のシーンがあったり、竜に乗って空を飛ぶシーンがあったりと今までみた歌舞伎にない演出の数々で面白かったです。
霊験亀山鉾での舞台に大雨が降る演出も驚きましたが、歌舞伎座は色んな舞台装置があるのですね。

主人公である林冲演じる中村隼人さんの演技もとても素敵で、
林冲の気高さが現れていて、子供に言い聞かせる場面では、兵学校で多くの生徒達に慕われていたのも頷けるなぁと感じられました。
また機会があったら中村隼人さんが出演されている他の舞台も見てみたくなりました。
(この間隅田川花火大会の中継で出演されていた着物姿の中村さんもとても素敵でしたね)

日本の夏を味わいつつも、劇中の人々の熱い想いについても触れられて、
とても良い夏の思い出になりました。
八月も良い一ヶ月が過ごせそうです。